■ その感覚、実はとても真っ当です
「これ、説明するより自分でやった方が早いな…」
管理職なら、一度は必ず思ったことがあるはずです。
実際、短期的に見ればその判断は正しいことも多く、
品質やスピードを考えると、自分で処理した方が確実な場面もあります。
問題は、その状態が常態化してしまうことです。
■ なぜ管理職は仕事を抱え込んでしまうのか
1. 部下に任せると時間がかかる
説明・確認・修正…と考えると、どうしても手間に見えてしまいます。
特に忙しい時期ほど「今は無理」と判断しがちです。
2. クオリティが下がるのが怖い
成果物の質に責任を持つ立場だからこそ、
「任せて失敗したら自分の責任」という不安が生まれます。
3. そもそも任せ方が分からない
プレイヤーとして優秀だった人ほど、
「どう切り出せばいいのか」「どこまで任せればいいのか」に悩みます。
■ 「自分でやった方が早い」は危険信号でもある
この状態が続くと、次のような問題が起き始めます。
- 管理職が常に忙しく、余裕がなくなる
- 部下が成長する機会を失う
- 「どうせ任せてもらえない」という空気が生まれる
結果として、チーム全体の生産性が下がり、
ますます管理職が忙しくなる…という悪循環に陥ります。
■ 抱え込まないための考え方の転換
1. 「今の速さ」ではなく「半年後の速さ」で考える
任せると一時的に遅くなります。
しかし、その経験が積み重なれば、半年後には確実に自分の負担が減ります。
育成は未来への投資だと捉えることが大切です。
2. 100点を求めず「60点でOK」にする
最初から完璧を求めると、任せることができません。
「まずは形になればOK」「修正前提」で考えると、任せやすくなります。
3. 仕事を“分解”して一部だけ任せる
全部を丸投げする必要はありません。
資料作成の下書き、情報収集、チェック前の叩き台など、
任せられる部分だけを切り出すのがコツです。
■ 任せることで得られる“管理職の本来の仕事”
仕事を任せられるようになると、
管理職は「作業」ではなく、次のような役割に時間を使えるようになります。
- チーム全体の方向性を考える
- 部下の成長を支援する
- 中長期の改善や仕組みづくり
これこそが、管理職にしかできない仕事です。
■ まとめ|任せることは“楽をすること”ではない
「自分でやった方が早い」と感じるのは、責任感の裏返し。
しかし、任せることは決してサボりではなく、
チームを強くするための重要な仕事です。
最初は大変でも、少しずつ任せていくことで、
いつの間にか「気づいたら自分の仕事が減っていた」状態が訪れます。
……ただし、その頃には部下の方が手際よくなっていて、
「え、もう私いらなくない?」と一瞬不安になるのも、管理職あるあるですが(笑)


