■ なぜ「任せ方」が若手育成の核心なのか
管理職として日々感じるのは、若手が伸びるかどうかは「どんな仕事を任せるか」で大きく変わるということです。
ただ、任せると言っても「丸投げ」になってしまったり、逆に「細かすぎる指示」でがんじがらめにしてしまったりと、加減が難しいのが本音です。
私自身、管理職になりたての頃は、任せ方がうまくいかず、部下の負担を増やしてしまったり、逆に成長の機会を奪ってしまった経験があります。そこで気付いたのは、若手が育つ任せ方には“適度な負荷”を設計するコツがあるということでした。
■ 適度な負荷を生む「3つの業務分解ステップ」
任せる仕事は、大きく3つのレベルに分けると判断しやすくなります。
1. 作業レベル(難易度:低)
マニュアルがあり、手順が明確なタスク。新人や経験の浅い若手でも成功体験を積みやすい領域です。
例:資料作成の下準備、データ入力、定型業務。
2. 判断レベル(難易度:中)
自分で選択し、判断する機会が必要になるタスク。適度な負荷があり、“育つ経験”が多いゾーンです。
例:小規模なプロジェクトの進行管理、顧客対応の初期判断。
3. 企画・改善レベル(難易度:高)
経験値が上がった若手に任せる“挑戦領域”。失敗も含めて学びが生まれ、成長速度が一気に上がります。
例:業務改善提案、チーム運営の一部を任せる、新サービス案出し。
この3段階を意識すると、「今この若手に任せるべき仕事はどれか?」が明確になり、丸投げや過干渉を避けられます。
■ 任せた仕事を“投げっぱなし”にしないフォローのコツ
1. 期待値のすり合わせは最初の3分で済ませる
求めるアウトプット、期限、判断基準を最初に共有するだけで、若手の迷いが大きく減ります。
「ここまでは自分で判断してOK」「迷ったらこのタイミングで相談」といった目安を示すと安心感が生まれます。
2. 中間チェックは“監視”ではなく“伴走”の姿勢で
若手が委縮しないよう、「状況教えてね」「困ったところあった?」など、気さくなトーンが効果的。
あくまで“相談の場”として設計するのがポイントです。
3. 完了後のフィードバックは「結果」ではなく「プロセス」を褒める
任せ方の目的は“育てること”。
成果が完璧でなくても、工夫した点や判断したポイントを肯定すると、次の挑戦意欲が高まります。
■ 若手が自走するための「任せる文化」づくり
任せ方がうまくいくチームほど、メンバーが「聞いてもいい・相談してもいい」雰囲気を持っています。
また、失敗を許容する文化があることで、若手は挑戦を恐れず動けるようになります。
管理職は、任せる仕事に段階をつくり、短時間でもフォローし、プロセスを評価することで、若手にとって安心して挑戦できる環境を整えられます。
■ まとめ|任せ方ひとつで若手の成長スピードは変わる
若手育成において「任せ方」はもっとも重要なスキルの一つです。
適度な負荷を意識しつつ、丸投げせず、過干渉にもならない絶妙な“業務デザイン”ができれば、部下は自然と自走し始めます。
そして何より、任せて成長してくれた姿を見ると、管理職としての喜びもひとしおです。
……ただし、あまり育ちすぎると「私より仕事ができるでは?」という焦りが出てくるのは内緒です(笑)



