ナラティブ思考で人を動かす|伝えるより“共感を生む”リーダーの話し方
ビジネスの現場で、どんなに優れた提案でも「伝わらない」と感じたことはありませんか? 数字やロジックで完璧に説明しても、相手がピンとこない。そんなときこそ求められるのが「ナラティブ思考」です。
なぜ今“物語の力”が必要なのか
現代の職場では、情報やデータがあふれています。誰もが似たような資料を作り、論理的な説明をします。 でも、人が本当に動くのは「共感したとき」です。だからこそ、リーダーには“数字で語る”だけでなく、“物語で伝える”力が求められています。
ナラティブとは、単なるストーリーではなく「自分の体験や感情を通じて、相手に気づきを与える語り方」です。 相手の心の中に「その人の物語」が生まれるように伝えるのがポイントです。
ナラティブ思考とは何か
ナラティブ思考は、事実を並べるだけでなく、そこに背景・葛藤・気づき・変化を込めて伝えることです。 たとえば「業務改善の提案をした」という事実に、 「現場の困りごとをどう感じたのか」「どんな壁にぶつかったのか」「どんな学びがあったのか」を添えることで、ぐっと人の心に残ります。
筆者の体験談:数字では動かなかった会議
以前、ある会議で新しい取り組みを提案したときのことです。 私はデータを揃え、費用対効果を数値で示して完璧なつもりでした。 しかし、会議室の空気は冷たく、誰も賛同しませんでした。
数日後、私は資料を作り直し、現場のスタッフが抱えていた「ちょっとした不便」や「やりづらさ」をエピソードとして紹介しました。 「実際に自分が現場で感じた小さな違和感」から話し始めたところ、上司の表情が変わり、議論が一気に前向きに。 最終的には、提案が採用されただけでなく「共感を呼んだ提案」として社内の好事例にもなりました。
ナラティブ思考を活かす3つのステップ
① 感情を思い出す
なぜそれを伝えたいのか? 自分が感じた「悔しさ」や「嬉しさ」を思い出しましょう。感情が入ることで、言葉に熱が生まれます。
② 背景を語る
その出来事が起きた状況、そこに至るまでの葛藤や試行錯誤を伝えます。単なる結果報告ではなく「プロセス」を話すことで、聞き手はあなたに共感します。
③ 変化を伝える
話の締めくくりには、学びや変化を入れましょう。「この経験から何を得たのか」「次にどう活かすのか」を語ることで、物語に深みが出ます。
まとめ|共感を生む人は、物語を語れる人
ナラティブ思考とは、相手に共感の余白を与える伝え方です。 データも理屈も大切ですが、そこに「あなたらしい物語」があることで、人は動き、信頼が生まれます。 語ることは、自分を見つめ直すことでもあります。 仕事の場でも日常でも、あなたの経験を“物語”として語る力が、次の一歩を変えるかもしれません。
※本記事の内容は筆者個人の経験・考えに基づいており、所属組織の公式見解を示すものではありません。




